コンテクスト・シンキング

コンテクスト思考で課題解決!

「失敗を恐れろ」

よく「失敗を恐れるな!」「失敗したって良いんだ!」と言う方がいますが、私の経験からすると、失敗はしない方がいいです。失敗なんて可能な限り避けてください。ただ、だからと言って、「失敗を恐れて“何もしない”」という状態になるのは最悪です。言い訳ばかりしてチャレンジしない人に興味は有りません。結婚相手に「安定」だけを望む方は、宜しいかと思います(笑。

 

では、どういうことか?ということですが....

一般論で順を追って説明します。

 

まず、大切なのは、アクションを起こす前に「成功」を定義することです。今、目の前にある課題やミッションに対して、「成功」とはどういう状態なのかを考えます。考えるだけでなく、共有します。とにかく「成功」の状態とはどういうことなのか?ということをできるだけたくさんの言葉で言語化して共有するのです。

広報PRの世界では、成果の「アウトプット」と、成果がもたらした効果の「アウトカム」という2つの視点で成功を定義しますが、ここでは、一般的なところで説明しているので、もっと言語化できるレベルの話しです。

<参考:アウトプットとアウトカム>

http://www.code-name.co.jp/words/post-41.html

 

次に、その「成功」へと導くために、「外せない要素」が何なのか、いくつかあるのかを「整理」します。その「要素」を「整理」できたら、その「要素」へと導くために必要な「要素」をさらに「整理」します。そして、「要素」がなにと関係するのかも整理します。要素の関係性の上流と下流を見極めます。それを繰り返していって、初めて、「最初の一手」が見えてきます。最初の一手は思いのほか簡単なことだったりします。そうなると、別のこともできることがわかります。

 

「最初の一手」は例えるなら、いくつかある登山ルートの1つです。山頂は「成功」です。成功へのルートを可能な限り調べたり、考えたりするわけです。

 

実は、ここまでやって初めて失敗が意味を成すのです。そこまでやって起きた失敗は「仕方ないよね」とも思えますし、関わる方々も同様に感じることができます。そして、失敗した原因も分かります。「あそこの分岐で道を間違えたのか....」みたいな感じです。

 

で、最近わかったのは、そこまですると、そうそう失敗はしないということでした(笑。そうなんです。それをしておくと、大概の失敗を回避することができるのです。整理をせずにスタートすると、失敗はするし、失敗しても、失敗の意味がわからないし、失敗の原因がどこなのか、など、まるでチンプンカンプンなのです。

 

失敗しないやり方はあります。ルートが分かっていればルートの修正もできます。ただ、失敗しないやり方が、わからない状況があります。つまり、動いてみないと要素が見えないという状態です。何と何がどんな関係なのか?がやってみないと見えない場合が存在します。「技術的な要素」が大きく影響する場合などはその例です。

 

新しい技術を人間社会の中に放り込んだ時に、どんな風に社会に作用するのか、そういうものはやってみないとわからないです。やってみて検証すべきです。その場合の失敗は、実に有意義ですね。

 

なので、どうなるか考えればわかる範囲で起きる失敗は、考える「型」が間違っていると思った方が宜しいかと思います。成功の要因を可能な限り検証した場合に限り、失敗を恐れずにチャレンジしたことに、初めて価値が生まれるのです。適当に「やってみたらいいんだよ」「失敗を恐れてはダメだ」と言っている人が居たら、信じてはいけません。要注意です。後で対立や軋轢を生む関係性に転化していくことが多いです(笑。