コンテクスト・シンキング

コンテクスト思考で課題解決!

アンケート結果は鵜呑みにした方が良い。

よく、アンケート結果について信用しない方が良いとか、そこから派生して、消費者目線にならなくて良いとか、そういう主張を聞いたりする。

 

消費者は自分が欲しいものがわからない、と言った方もいた。確かにそうだ。新しい価値、「こういうものを待っていたんだよ!」みたいなものが売れたりするので、ある意味その見方は正しいのかもしれない。

 

けど、本当にそうなのか?

 

まず、鵜呑みに出来るアンケート以外、そもそも取得する意味があるのかどうか。何か考えるときのとっかかりやヒントを得たいのでアンケートを取っているはずだ。そうなると、アンケートの設計がカギになってくるのではないかと考えた方が良い。

 

この場合、カギとなるのは、アンケート項目と行間の設計だ。例えば、イベントに参加した参加者へアンケートを取る、主催者は、イベントそのものの評価を得たくなるので「このイベントに満足したか?」みたいなフワッとした項目を入れてきやがる。だが、この項目は、主催者が安心することが主目的になっていないだろうか?ストレートな消費者の意見ってわけではない。気に入ったところもあれば、そうでないところもあるはず。なので回答にも悩むし、ここで満足度が高いからと言って、次回に繋がるとは限らない。なので、まるで意味がないのだ。

こんな項目を作るくらいなら、例えばだけど、「今後、同様のイベントを3ヶ月に一度、開催しようと計画しています。次回のイベントの案内について欲しいですか?」と聞いたらどうだろう。

満足していれば欲しいはずだし、満足していなければ欲しくないはず。携帯電話の会社であれば、お知らせMailを届けることが出来るので、すでに連絡先を取得している場合にはこの質問は有効だ。

また、案内が欲しいということは、誰かを連れてきたい、誰かを誘いたい、誰かに教えたい、などの思惑も想像できる。その場合は、お知らせMailにクーポンを入れておいたりして、送ったメールがユーザ間で転送されたかなどのトラフィックを確認したりして使える。

このように項目1つ1つをしっかり検証して、項目の裏側や設問の因果関係をしっかり設計したシンプルなアンケートであれば、相当有効なデータは取れるはずだ。アンケートは手段であり、目的ではない。手段は使い手の能力次第であることを忘れちゃいけない。