【応用編】プレスリリースの書き方 1/2
コンテクスト・シンキングは思考方法なので、様々な場面へ転用できる可能性が高いです。企業の組織作りだったり、チームのつくり方だったり、新製品の開発、業務の拡大、新規事業への参入、なんでも応用ができるのではないかと考えています。
ただ、これは私1人の思い込みかもしれません。なので、事例をあげながら、具体的な場面を想定した応用編を書いていこうかと思います。
今回のテーマは、プレスリリースです。
1.プレスリリースとは何か?
wikipediaでは、「報道機関に向けた、情報の提供・告知・発表のこと」と、説明しています。自社(自団体)が、ニュース=新しい出来事や新しい取り組みを行う際に、メディアに向けて発信して、報道機関がニュースとして取り上げてくれることを期待するわけです。
2.書いたらどこに送ればいいの?
一般的には、記者クラブへの投げ込みです。記者クラブとは、大手の新聞社等で構成された任意団体で、町や村はわかりませんが、県庁や市役所にはありますね。そこで、登録されているメディアの分だけ印刷して持って行けば、どなたかにお渡しするか、投げ込み用のボックスやFAXがあるので、そちらへ送れば届きます。もちろん、直接、メディア各社に送るという方法もあります。
最近では、リリースを代行して発送してくれるところがあります。@pressなどがそうです。このサービスの良い点は、ロケーションに関係しないことです。九州の話題を東北のメディアが取り上げることもあります。
通常、記者クラブは、都市部を基点とした大手メディアの地方局のメンバーで構成されているので、都市間を超越して情報が届くことが考えにくいのです。しかし、@pressは、全国約8500社のメディアが配信先として登録しているので、そこに投げ込むだけで、届く先は地元の記者クラブより数十倍になると思われます。
3.どうしたら記事になるか?
さて、ここまで来たら仕事は終わり。帰ってビールでも?というわけにはいきません。リリースを出したこと=ニュースになる確率がゼロで無くなった程度のことでしかないのです。では、どうしたらニュースとして取り上げてもらえることができるのか?ということですが、それはずばり、報道機関の裁量です。メディアの方々が、取り上げたいと思えば、取り上げるし、そうでなければ取り上げません。
これはごくごく当たり前のことで、ポイントは、そのネタが、報道機関として、ニュースとして自社のお客様に届けたいと思えるか?なのです。
4.どんな体裁で書けば良いの?
プレスリリースのテンプレートを公開している方がたくさんおりますので、そちらも合わせてみてみて下さい。
基本的な構成は、
①タイトル
②ビジュアル
③リード文
④本文
⑤連絡先
です。
一般的に言われていることなので、どうってことないのですが、ポイントは、やはり、本文です。この本文の説明の仕方が圧倒的に少な過ぎます。ここにコンテクスト・シンキングの思考方法が役立ちます。
この④本文を構想することで、③リード文が決まり、その後に④本文を書いてみる。その上で①タイトルがまとまり、それを端的に伝える②ビジュアルを用意する、という順番になります。最初から順番に決めるのは難しいですね。ほとんどの方が本文を書いているうちに何を書いてるかわからなくなりますから。
5.具体的な書き方について
さて、いよいよここからが本題となるのですが、ちょっと面倒な話になりますが(笑)、わかりやすくなるよう気をつけますのでご容赦ください。
ここまでのプレスリリースの説明は、まぁ普通だったのですが、コンテクスト・シンキングでは、アプローチを変えて、プレスリリースを捉えています。ずばり、記者が書かざるを得ないお知らせと表現しています。
いくつかのサイトでは、ニュース性を高めるとか、背景に時代性を入れるとか、抽象的な内容が多いです。それは、プレスリリースを正面から捉えているからだと思われます。これだとカンの良い人でないと(この辺の感度が高くてカンの良い人が実際にはおりますけど)なかなか目的は果たせません。こういう相手のあることは裏から見れば良いのです。自分が記者だったら「取り上げたい!」と思う内容になっているかを考えてみればピンとくるかと思います。
では、記者が書かないといけない感じてしまうネタとは何か?ですが、それはニュース性の高い内容です。では、ニュース性とは何か?ですが、それは以下の要素を複数組み合わせることによって生まれるニュース感に他なりません。この配分バランスでニュース感が決まって来ます。要素を並べてみます。
①社会性 時代の変化の中、何か特別な事件が起きたり、時間の流れに触れている
②時限性 今だけとか、この時期だけとかでありつつ繰り返しがあるもの
③希少性 単純に少ないとか、その人しかできない、という要素
④地域性 その場所ならではの話題とか、その場所の文化や歴史を背景に持つ
厳密に言うと他にもあるかもしれませんが、①は時間の歴史、②は時間の旬、③はヒト、モノ、④はエリアとして見ています。私が相談を受けた場合は、必ずこの4つでストーリーの骨子を最初に作ります。必要に応じてない項目を追加出来ないかと提案することもあります。この骨子作りが最も重要な作業だと思っています。
さて、さらに詳細な書き方についての説明は、次回のエントリーにて行います。