コンテクスト・シンキング

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【応用編】プレスリリースの書き方 2/2

明けましておめでとうございます。

今年も宜しく御願します。

 

さて、今回は、前回の続きです。前回のエントリーはこちら

 

先のエントリーで、ニュース性を「社会性、時限性、希少性、地域性の組み合わせから生まれるニュース感」と表現しました。当初は新規性というキーワードもあったのですが、新規性は、時限性と希少性の組み合わせに分解しました。で、話題性を持つためにはニュースになる必要があります。ニュースになったら必ず話題になるのかは別の話ですが、ニュースになるかならないかは、企業活動でも団体活動でも重要なことです。メディアに取り上げられることで活動や取組自体に社会性が備わるので、評価としてフィードバックされますからね。

では、どうやって魅力的なリリースを作れば良いのか?という内容について説明していきます。

 

6.詳細な書き方について

本文を一番最初に構想する際に、ストーリーの骨子を検討することを説明しましたが、そもそもストーリーの説明が必要です。ストーリーとは「連続する因果関係」を指します。「連続する因果関係をまとめると物語になる」と考えています。いくつか例を挙げてみます。

 

<新製品を地方の会社が開発して世界へ販売した場合のリリース構成例>

【地域性】どこどこにあるなになにという会社はこんなことをしてきた。

【社会性】社会的ニーズからこういう声があがり新製品の開発が期待されている。

【希少性】そこでその会社はそのニーズに的確に応える製品を開発した。

【地域性】いついつから世界で発売開始。地方から世界へ。

 

これだと地域性が高い構成なのでローカルニュースであれば期待できます。けど、大手メディアだと難しいかもしれません。大手メディアをターゲットにするなら、リリースの書き方も変える必要があります。

 

<新製品を地方の会社が開発して世界へ販売した場合のリリース構成例>

【社会性】地方創成が叫ばれる中、地域の中小企業の活躍が期待されている。

【社会性】社会的ニーズからこういう声があがり新製品の開発が期待されている。

【希少性】そこである会社がそのニーズに的確に応える製品を開発した。

【地域性】それはどこどこにあるなになにという会社です。

【地域性】いついつから世界で発売開始。地方から世界へ。

 

こうすると少し、大手メディアが取り上げてくれそうな雰囲気になりました。この製品開発に関わったメンバーによっても、さらにポイントが高まります。産学連携なら【社会性】大学生ベンチャーなら【希少性】と【社会性】定年後のベンチャーなら【社会性】という具合に、どんどん加点されていくイメージです。これは可能な限り、様々な視点で、加点できるポイントを整理した方が良いです。

 

でも、まだ弱いですね。今取り上げる必要があるのか?という点が残ります。そこで必要なのが、時限性です。

 

時限性でわかりやすい例で言えば、「いつからいつまでイベントに参加します」「いつからいつまでポップアップショップできます」とか、「発売記念でいつまで割引です」などでも良いです。これらを組み合わせるとリリースの印象も変わります。

 

<新製品を地方の会社が開発して世界へ販売した場合のリリース構成例>

【社会性】高齢者が活躍できる社会が期待されている。

【社会性】地方創成で地域の中小企業の活躍も期待されている。

【社会性】高齢者と呼ばれる世代がベンチャーを立ち上げた。

     (世代間交流とかあるとさらに良い感じだ)

【社会性】他方、社会的ニーズからこういう新製品の開発が期待されている。

【希少性】そこでその会社がニーズに的確に応える製品を開発した。

【社会性】いついつから世界で発売開始。地方から世界へ高齢者の挑戦。

【時限性】発売記念で半額で提供。

【社会性】「多くの方に使って頂き課題解消したい」と考えた。

 

という感じになります。

 

リリースの本文はパズルみたいなものです。本文を作るには、構成要素をキーワードで分類し、同じ内容の文章でも、強調したい事柄によって表現を変えることが必要なのです。視点を大きく構えて、社会性の割合を増やすことができれば大手メディアへの道も開けるかもしれません。このように本文の構成は、自由に組み立てらるのです。後は、どこに重きを置くことを優先するか?によって、リードとタイトルが変わってきます。

 

イメージとしては、社会性と地域性を1つのラインの左右に置き、大手メディアが対象であれば社会性に傾けたストーリー作り、ローカルメディアが対象であれば地域性に傾けたストーリー作りを行った方が良いでしょう。リードとタイトルは、どんな人に伝えたいか?によって、ピックアップするワードが変えた方が良いです。企業活動において、同じ内容でもステークホルダーの違いによって伝え方を変えるように、伝えたい立場に合わせた最適な伝え方ってのがあるので、それを意識することが大切なんです。