コンテクスト・シンキング

コンテクスト思考で課題解決!

コンテクスト・シンキングの基本スタンス

すっかりご無沙汰になっていました。年末年始にいろいろとありましてねぇ....。

すでに随分前のように感じています。

 

さて、今回は、「コンテクスト・シンキングの基本スタンス」についてお話をしてみたいと思います。

文脈さえ読み解く事ができれば、どんなことだって出来る。と私は考えています。不可能はない、と言って良いかもしれません。

まぁ私が明日だけ女性になる、とか、そういう荒唐無稽なのはナシです。ただ、女性としていけていないからナシ、ということではありません。

 

何か課題に取り組むとき、何か新しいことに取り組むとき、うまくいくイメージがあると思います。失敗のイメージしかないのに取り組む人はいないでしょうからね。で、コンテクスト・シンキングでは、実はこの「うまくいった状態」を想定することから始まります。これは言い換えればゴールです。

そのゴールは、動機であったり、大義であったり、なぜそれに取り組むのか?という本質的な部分を示すもので無ければいけません。

コンテクストとは、そのゴールと今の姿の間を繋ぐストーリーなのです。ストーリーは、連続する因果関係を指します。つまり、そのゴールにいく為には、何をして、という逆算をしていくイメージです。ただ、そのイメージですが、あるところでぷつりと切れることがあります。その場合はどうするか、今後は、自分を基点に連続する因果関係をイメージしていきます。そうするとやはり、同じように、あるところでぷつりと切れてしまいます。このぷつりと切れた2つを眺めていろいろと考えて、どうやって繋げたら良いかをイメージします。このイメージこそが「アイデア」なんです。

 

コンテクスト・シンキングは、「成功のイメージから逆算して、現在と繋ぐために、アイデアへと導くこと」を実現するメソッドなのです。

「指示待ち人間」の投稿から得る教訓とは?

FBの方で投稿をした「指示待ち人間」のまとめ。400以上の「いいね」に、98のシェア、という結果に。驚きです。皆さんの周りにも多いのかもしれません。私の周りにも多かったと思います。さて、このまとめ、内容としては「なるほど」というものでありますが、もう少し分析してみたいと思います。

 

それは、「そのような状況に陥った時に、打破するのにはどうしたら良いか?」という点です。

 

あの投稿を見た30代の女性から、今の職場についての「悩み相談」が来ました。

新規プロジェクトで付いた上司が、まさに指示待ち人間製造機のような人で、最近では、八つ当たりやら飛び出す始末。もう完全に自分自身が「指示待ち人間になっている」というのです。もうモチベーションも持っていないというのです。さて、そこで、どうすのか?と言えば、私は、迷わずに転職をオススメしました。

 

そうなんです。この課題について、立場の弱い個人であれば、対処方法は「避ける」しかないのです。

よって、「指示待ち人間を無くしたい!」と経営者が本気で思ったら、まず最初に、その方も含めた「権限ある立場の人」の言動を確認した方が良いですね。

 

この「権限」ってのは、片方にあることで、人の関係に「上」「下」を作ることになります。権限を持った人は、「追いやったり」、「陥れたり」、「騙したり」、2者間での「やり取りの主導権」を持つ事ができます。そして、一度でも、そのそぶりを見せてしまったら、相手は、その後、権限を持った貴方には逆らうことはなくなり、貴方の言う事を聞く「指示待ち人間」が誕生します。権限を持った人こそ、注意を払うべきなのです。

 

例えば、車同士の交通事故の場合、0:10の過失割合ということはないでしょうね。同じように、何か課題が起きた時は、それに関わる人「それぞれ」が「最善を尽くせなかった結果」だと考える必要があります。そこには、相手と自分がいます。どんな割合でも、自分が改善すべき何かを持っているなら、その割合が3:7でも8:2でも、大した違いではありません。

 

この「指示待ち人間」の投稿から得る教訓は、「権限を持った人こそ、注意を払って周囲と接するべきだ」と言うことかもしれません。

「指示待ち人間」は、権限を持つ人の間違ったリーダーシップによって生まれた「結果」なのです。

 

タイトル変更しました。

このブログを「コンテスト・プランニング」という名称から、「コンテクスト・シンキング」と変更しました。さらに、「コンテクスト・シンキング」を、「コンテクスト・リサーチ」と「コンテクスト・プランニング」と「コンテクスト・アクション」の3つからなる体系的な思考術と位置づけました。

 

コンテクスト=文脈に注目することで、過去も現在も未来をも繋がるきれいなストーリーを描くことができます。今後、記事については、リサーチ、プランニング、アクション、に分類していきたいと思います。

 

PDCAサイクルの落とし穴。

最近では高校生や中学生でも知っているであろうPDCAサイクルですが、私は割と懐疑的だったりします。

 

まずはwikipedia先生よりコピペしてきます。以下のように説明しています。

 

  1. Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
  2. Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う
  3. Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
  4. Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする

 

この中に出て来る「計画」ってのがくせ者でして、実はこのPDCAサイクルは「計画が正しい」ことを前提としていることにお気づきでしょうか。

 

では、計画とはどのように立てるのでしょう。引き続き、wikipedia先生によると、

 

何らかの目標、目的を達成するために将来どのように行動するのかを決めたもののこと。戦略また方策ともいう。

 

ということ。

そして、実際、いろいろな方に「計画を立ててみてください」というと、出来るかどうかは別で、「こうなったら良いな」という「希望」や「目標」を言語化したに過ぎなかったりする。それで、その希望の通りに行っているとか、行っていないとかをつつかれて一喜一憂したりしている間に疲労してしまう。ツライ。

 

さて、そこで今回は計画についてしっかり考えてみたい。

 

例えば、何か新しいことにトライすることにします。新製品の販売でも良いです。

その成長させるための計画を考えるには、まず最初に、その新商品そのものが良いことが前提となります。強みがどこにあるのか、どの部分で秀でているのか、どの程度他に比べて優れているのかなどを整理する必要があります。すると、必然的に計画はあぶり出されてきます。それらの事項を整理していくことで、様々な戦略を組み立てることが出来ます。想像でわからないことはテストで行動してみて、計画を修正すれば良いのです。この「計画があぶり出される」のは、とことん整理が出来るかどうかにかかっています。そこさえ出来てしまえば、計画は自ずと見えてきます。

 

例えば、何か課題を解決するための取り組みをすることにします。

この場合、社内の改革でも、社会を変えるための新しい取り組みでも結構です。
計画で理想の姿をこうしよう!ああしよう!という提案を最初にやってはいけません。その内容の善し悪しに関わらず、周囲は「賛成」「反対」に分かれるからです。特に、新参者がズカズカ入って行って、これをやってしまったら、現場はまっ二つです。考えるだけで恐ろしいです。

この場合は、まず、課題が生まれたプロセスを丁寧にインタビューしていく必要があります。そうすると、その中に流れる歴史やそこにまつわる文化が見えてきます。関連する内容を連続する因果関係として捉えて、整理を重ねていくと、最初の一手を導くことが出来るのです。この連続する因果関係が見えると、必然的に計画が立つようになります。

 

計画を立てるには、とにかく対象を丸裸にして、とことん調べぬき、様々な因果関係を整理して、その中から「連続する因果関係」と「最初の一手」を見抜く必要があります。それができるまでは、実行に移さず計画を立てることに専念した方が良いです。しっかりした計画には、丁寧なリサーチと整理が必要なのです。

ロジカルシンキングで共感を得る方法ーその③「考え抜くための考え方」を知る。

前々回から始まった「共感」シリーズ、今回で3回目となりました。

これまでの2回で、「共感を得るには大義が必要であり、大義を表明することは、共通認識を確認し、相手と自分は同じ土俵に立っているんだよ」ということを示すことからスタートする、というお話をしました。家で言えば、基礎工事をしっかりして土台をちゃんと作りましょうね、という感じです。

大義を土台として成立する共感ストーリーで言えば、「コンセプト」が大切なのですが、コンセプトを設定するのに必要なのが、「物事を考え抜く」ことです。

 

考え抜くことが出来れば、良いコンセプトが出来ます。良いコンセプトは考え抜いた結果なのです。なので、決して、センスで導かれるとか、そういう類いのものではありません。

 

では、どう考えるのか?ということですが、コンテクストを読み解くことにあります。

例えば、企業の場合、何か改革したいことがあるとします。

改革を推進したい人は、どうやったらいいか、何をしたらいいかを考えます。考えて考え抜いた後に、具体的なアイデアを思いついたとします。

先の話では、この場合、思いついたアイデアを話す前に、なぜ改革が必要なのかを話し、改革の方向性について示して共感を得て、最終的に具体的なアイデアを提示することで、共感を得られるストーリーが出来る、と話しました。

そこで肝心なのがアイデアとなります。このアイデアが目も当てられないようなものであれば、いくら正しい順番で話したとしても、共感を得られることはないでしょう。アイデアは、大義の上に成り立ち、しっかりと本質を見抜いていないといけないのです。

 

では、アイデアと聞いて、どのようなイメージを持ちますか?私は穴埋め問題のイメージに近いのです。

 

1つ具体的な例をお話します。

私は地元のコミュニティFMに関わっているのですが、そこで、「良い番組とは何か?」ということについてスタッフと話しをしました。

前提としては、まず最初に「ラジオ局の売上を上げるにはどうしたら良いか?」と聞き、その結果、「リスナーを増やす」という話しになり、そのためには「たくさんの人に聞いてもらえるような番組を作る」という答えが返ってきました。そこで、「たくさんの人に聞いてもらえるような番組」をラジオ局に取って「良い番組」と定義した際に、「良い番組」とは何か?という展開になったのです。そこで出て来るのが「共感を得られる」「口コミで話したくなる」などの言葉でした。

では、「共感を得るにはどうしたらいいか」「人に話したくなるようなこととはどんなことか?」と聞いていきます。すると、「あるあるネタ」「スーパーのお得な情報とか」ということでした。で、それをどんなリスナーに向けて放送をすると「良い番組」になるのか?「主婦が良い」「子育てママ」「専業主婦」などの答えが返ってきました。

このように、質問を繰り返していくと、「たくさんの人に聞いてもらえるための番組」が「良い番組」だったはずなのに、いつのまにか、「女性で30代くらいで子育て中」をターゲットにした番組にすり替わってしまうことがわかります。

整理するとこんな感じです。

①目的:売上をあげたい

②どうやって?:たくさんの人に聞いてもらえる番組を作る

③どんな行動を期待するか?:共感を得て欲しい、口コミで広がって欲しい

④何をすれば実現するか?:あるあるネタとか、スーパーのお得情報とかを流す。

⑤誰に向けて発信するのか?:主婦とか子育てママ

なんだかおかしなことになりました。これは論理的に崩壊しています。故にこの考え方は間違いなのです。

 

そこで、コンテクストに注目します。ここでは成り立ちと現状についての整理です。

私が関わるコミュニティFMは、今から8年前に開局しました。開局時はリスナーはゼロです。そこからどうやってコンテンツを増やし、売上を上げたか、その文脈をしっかりと把握します。

開局前に、コンテンツは人が持っているという仮設を立て、ボランティアを受け入れて関わる人を増やそう、つまり、関わる人を増やしてコンテンツを増やそうと考えました。

そのため、いろいろなコンテンツを持った人に番組をしてもらいました。これは、いろいろな業界の方がいたので、営業先が増えました。パーソナリティとして登場する方々の職業も、飲食店、観光施設、小売業、製造業などいろいろです。

 

最初にどうやって番組を作っていたかというと、様々な業種の方がそれぞれの業種を意識した番組作りをしていました。つまり、その市場に向けた番組作りをしていました。業界の中は割と繋がっています。例えば、車関係の仕事をしている方が番組を持つと、同業種の方が聞きだします。さらに、TwitterSNSで番組の告知などをすると、それぞれの市場の中にラジオから発信した情報が流れ出します。その結果、ラジオに興味を持ってくれた方がラジオを聞くようになります。

 

つまりは、ラジオ局は、「いつも聞いてくれているリスナーのために番組を作る」のではなく、「地域の市場に向けて番組を作る」というスタンスでしか、リスナーを拡大させる方法はないのです。

 

例えが特殊な業界ではありますが、このように、「何をする」とか、「どうやるか」とか、そんなことを考える前に、「今までどうしてきたのか」、「どうやってきたのか」を整理するだけで、今、やるべき事が導き出されるのです。

 

さらに整理は続きます。

 

先ほど、業界は繋がっていると言いましたが、そこで、市場を1つのコミュニティとして捉えてみます。コミュニティにとって有益な情報は必然的にラジオを離れて波及していきます。「どこどこの何々が美味しい」をずっと放送し続ければ、食べるのが好きな人は「食べました」と、ネットでアップし、コミュニティの中で情報を共有します。

こうやって整理をして、ようやく、番組のコンセプトを考える段階になります。

 

「美味しいモノを食べたい人」に向けた番組を作る。

 

同様に「〇〇したい人に向けた番組」と列挙していきます。「子育てしたい人」、「勉強の仕方を知りたい人」、「グループでお出かけしたい人」などなど。ここまで来ると、ラジオ局の売上が上がる番組アイデアとして、十分に使えるものになります。

 

このように、目的がはっきりしている場合は、コンテクストに注目して整理をすることで、最後には、やるべきことがあぶり出されて来ます。なので、アイデアは穴埋めに近い感覚になるのです。「ラジオ局の売上を増やしたい」という目的設定をし、「そのためにどんな番組を作れば良いのか?」と考えてしまうと、「そもそもどうしていたっけ?」というところから続くストーリー、つまり、コンテクストに気付くことなく、不毛な議論が続いてしまうのです。

 

「考え抜くための考え方」とは、コンテクストを読み解き、その上で、因果関係に注目しながら整理していくことでなのです。整理をしながら、必要なことがあぶり出されて行くのをじっと待ち、それまでは、「何をするか」は考えず、ひたすら整理をすることが「考え抜く」ためには必要なのです。