コンテクスト・シンキング

コンテクスト思考で課題解決!

タイトル変更しました。

このブログを「コンテスト・プランニング」という名称から、「コンテクスト・シンキング」と変更しました。さらに、「コンテクスト・シンキング」を、「コンテクスト・リサーチ」と「コンテクスト・プランニング」と「コンテクスト・アクション」の3つからなる体系的な思考術と位置づけました。

 

コンテクスト=文脈に注目することで、過去も現在も未来をも繋がるきれいなストーリーを描くことができます。今後、記事については、リサーチ、プランニング、アクション、に分類していきたいと思います。

 

PDCAサイクルの落とし穴。

最近では高校生や中学生でも知っているであろうPDCAサイクルですが、私は割と懐疑的だったりします。

 

まずはwikipedia先生よりコピペしてきます。以下のように説明しています。

 

  1. Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
  2. Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う
  3. Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
  4. Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする

 

この中に出て来る「計画」ってのがくせ者でして、実はこのPDCAサイクルは「計画が正しい」ことを前提としていることにお気づきでしょうか。

 

では、計画とはどのように立てるのでしょう。引き続き、wikipedia先生によると、

 

何らかの目標、目的を達成するために将来どのように行動するのかを決めたもののこと。戦略また方策ともいう。

 

ということ。

そして、実際、いろいろな方に「計画を立ててみてください」というと、出来るかどうかは別で、「こうなったら良いな」という「希望」や「目標」を言語化したに過ぎなかったりする。それで、その希望の通りに行っているとか、行っていないとかをつつかれて一喜一憂したりしている間に疲労してしまう。ツライ。

 

さて、そこで今回は計画についてしっかり考えてみたい。

 

例えば、何か新しいことにトライすることにします。新製品の販売でも良いです。

その成長させるための計画を考えるには、まず最初に、その新商品そのものが良いことが前提となります。強みがどこにあるのか、どの部分で秀でているのか、どの程度他に比べて優れているのかなどを整理する必要があります。すると、必然的に計画はあぶり出されてきます。それらの事項を整理していくことで、様々な戦略を組み立てることが出来ます。想像でわからないことはテストで行動してみて、計画を修正すれば良いのです。この「計画があぶり出される」のは、とことん整理が出来るかどうかにかかっています。そこさえ出来てしまえば、計画は自ずと見えてきます。

 

例えば、何か課題を解決するための取り組みをすることにします。

この場合、社内の改革でも、社会を変えるための新しい取り組みでも結構です。
計画で理想の姿をこうしよう!ああしよう!という提案を最初にやってはいけません。その内容の善し悪しに関わらず、周囲は「賛成」「反対」に分かれるからです。特に、新参者がズカズカ入って行って、これをやってしまったら、現場はまっ二つです。考えるだけで恐ろしいです。

この場合は、まず、課題が生まれたプロセスを丁寧にインタビューしていく必要があります。そうすると、その中に流れる歴史やそこにまつわる文化が見えてきます。関連する内容を連続する因果関係として捉えて、整理を重ねていくと、最初の一手を導くことが出来るのです。この連続する因果関係が見えると、必然的に計画が立つようになります。

 

計画を立てるには、とにかく対象を丸裸にして、とことん調べぬき、様々な因果関係を整理して、その中から「連続する因果関係」と「最初の一手」を見抜く必要があります。それができるまでは、実行に移さず計画を立てることに専念した方が良いです。しっかりした計画には、丁寧なリサーチと整理が必要なのです。

ロジカルシンキングで共感を得る方法ーその③「考え抜くための考え方」を知る。

前々回から始まった「共感」シリーズ、今回で3回目となりました。

これまでの2回で、「共感を得るには大義が必要であり、大義を表明することは、共通認識を確認し、相手と自分は同じ土俵に立っているんだよ」ということを示すことからスタートする、というお話をしました。家で言えば、基礎工事をしっかりして土台をちゃんと作りましょうね、という感じです。

大義を土台として成立する共感ストーリーで言えば、「コンセプト」が大切なのですが、コンセプトを設定するのに必要なのが、「物事を考え抜く」ことです。

 

考え抜くことが出来れば、良いコンセプトが出来ます。良いコンセプトは考え抜いた結果なのです。なので、決して、センスで導かれるとか、そういう類いのものではありません。

 

では、どう考えるのか?ということですが、コンテクストを読み解くことにあります。

例えば、企業の場合、何か改革したいことがあるとします。

改革を推進したい人は、どうやったらいいか、何をしたらいいかを考えます。考えて考え抜いた後に、具体的なアイデアを思いついたとします。

先の話では、この場合、思いついたアイデアを話す前に、なぜ改革が必要なのかを話し、改革の方向性について示して共感を得て、最終的に具体的なアイデアを提示することで、共感を得られるストーリーが出来る、と話しました。

そこで肝心なのがアイデアとなります。このアイデアが目も当てられないようなものであれば、いくら正しい順番で話したとしても、共感を得られることはないでしょう。アイデアは、大義の上に成り立ち、しっかりと本質を見抜いていないといけないのです。

 

では、アイデアと聞いて、どのようなイメージを持ちますか?私は穴埋め問題のイメージに近いのです。

 

1つ具体的な例をお話します。

私は地元のコミュニティFMに関わっているのですが、そこで、「良い番組とは何か?」ということについてスタッフと話しをしました。

前提としては、まず最初に「ラジオ局の売上を上げるにはどうしたら良いか?」と聞き、その結果、「リスナーを増やす」という話しになり、そのためには「たくさんの人に聞いてもらえるような番組を作る」という答えが返ってきました。そこで、「たくさんの人に聞いてもらえるような番組」をラジオ局に取って「良い番組」と定義した際に、「良い番組」とは何か?という展開になったのです。そこで出て来るのが「共感を得られる」「口コミで話したくなる」などの言葉でした。

では、「共感を得るにはどうしたらいいか」「人に話したくなるようなこととはどんなことか?」と聞いていきます。すると、「あるあるネタ」「スーパーのお得な情報とか」ということでした。で、それをどんなリスナーに向けて放送をすると「良い番組」になるのか?「主婦が良い」「子育てママ」「専業主婦」などの答えが返ってきました。

このように、質問を繰り返していくと、「たくさんの人に聞いてもらえるための番組」が「良い番組」だったはずなのに、いつのまにか、「女性で30代くらいで子育て中」をターゲットにした番組にすり替わってしまうことがわかります。

整理するとこんな感じです。

①目的:売上をあげたい

②どうやって?:たくさんの人に聞いてもらえる番組を作る

③どんな行動を期待するか?:共感を得て欲しい、口コミで広がって欲しい

④何をすれば実現するか?:あるあるネタとか、スーパーのお得情報とかを流す。

⑤誰に向けて発信するのか?:主婦とか子育てママ

なんだかおかしなことになりました。これは論理的に崩壊しています。故にこの考え方は間違いなのです。

 

そこで、コンテクストに注目します。ここでは成り立ちと現状についての整理です。

私が関わるコミュニティFMは、今から8年前に開局しました。開局時はリスナーはゼロです。そこからどうやってコンテンツを増やし、売上を上げたか、その文脈をしっかりと把握します。

開局前に、コンテンツは人が持っているという仮設を立て、ボランティアを受け入れて関わる人を増やそう、つまり、関わる人を増やしてコンテンツを増やそうと考えました。

そのため、いろいろなコンテンツを持った人に番組をしてもらいました。これは、いろいろな業界の方がいたので、営業先が増えました。パーソナリティとして登場する方々の職業も、飲食店、観光施設、小売業、製造業などいろいろです。

 

最初にどうやって番組を作っていたかというと、様々な業種の方がそれぞれの業種を意識した番組作りをしていました。つまり、その市場に向けた番組作りをしていました。業界の中は割と繋がっています。例えば、車関係の仕事をしている方が番組を持つと、同業種の方が聞きだします。さらに、TwitterSNSで番組の告知などをすると、それぞれの市場の中にラジオから発信した情報が流れ出します。その結果、ラジオに興味を持ってくれた方がラジオを聞くようになります。

 

つまりは、ラジオ局は、「いつも聞いてくれているリスナーのために番組を作る」のではなく、「地域の市場に向けて番組を作る」というスタンスでしか、リスナーを拡大させる方法はないのです。

 

例えが特殊な業界ではありますが、このように、「何をする」とか、「どうやるか」とか、そんなことを考える前に、「今までどうしてきたのか」、「どうやってきたのか」を整理するだけで、今、やるべき事が導き出されるのです。

 

さらに整理は続きます。

 

先ほど、業界は繋がっていると言いましたが、そこで、市場を1つのコミュニティとして捉えてみます。コミュニティにとって有益な情報は必然的にラジオを離れて波及していきます。「どこどこの何々が美味しい」をずっと放送し続ければ、食べるのが好きな人は「食べました」と、ネットでアップし、コミュニティの中で情報を共有します。

こうやって整理をして、ようやく、番組のコンセプトを考える段階になります。

 

「美味しいモノを食べたい人」に向けた番組を作る。

 

同様に「〇〇したい人に向けた番組」と列挙していきます。「子育てしたい人」、「勉強の仕方を知りたい人」、「グループでお出かけしたい人」などなど。ここまで来ると、ラジオ局の売上が上がる番組アイデアとして、十分に使えるものになります。

 

このように、目的がはっきりしている場合は、コンテクストに注目して整理をすることで、最後には、やるべきことがあぶり出されて来ます。なので、アイデアは穴埋めに近い感覚になるのです。「ラジオ局の売上を増やしたい」という目的設定をし、「そのためにどんな番組を作れば良いのか?」と考えてしまうと、「そもそもどうしていたっけ?」というところから続くストーリー、つまり、コンテクストに気付くことなく、不毛な議論が続いてしまうのです。

 

「考え抜くための考え方」とは、コンテクストを読み解き、その上で、因果関係に注目しながら整理していくことでなのです。整理をしながら、必要なことがあぶり出されて行くのをじっと待ち、それまでは、「何をするか」は考えず、ひたすら整理をすることが「考え抜く」ためには必要なのです。

 

 

 

ロジカルシンキングで共感を得る方法ーその②「共感の土台」を作る。

前回は、共感を得られない理由について考えた。

今回は、共感を得るための準備、土台作りについて考えてみる。

 

家づくりもそうだが、やはり、肝心なのは土台作りだ。劇的ビフォワーアフターでも、リフォームしながら、基礎工事をやり直すように、しっかりした基礎の上でなければ家が立たない。同様に、しっかりした土台が無ければ、共感のための筋が立たなくなる。

 

「共感できない」という状況を、前回話した「心位置」のイメージで伝えると、元々フラットな状態で、相手と相対した時に、心位置は二人の真ん中にある。けど、言葉を発するに連れて、心位置が相手側に転がり、シーソーは傾き、相手側にべったり転がった後には、耳辺りの良い言葉からは何一つ共感を得られない。むしろ、胡散臭さまで発してしまうものだから質が悪い。大義を最後に言うのは、最大にダメ行為なのだ。

 

原発には反対だ。これからは自然エネルギーに転換すべき。僕たちの未来にはクリーンなエネルギーが必要だ」

 

これは、前回用いた上記の文章だが、言い方を変えてみよう。

 

「僕たちの未来にはクリーンなエネルギーが必要だ。太陽光、風力発電など、様々なクリーンエネルギーが生まれている。そういったエネルギー開発を進めて行くことが必要だろう。その点からは、私は原発には反対だ。

 

3つの文章を逆にして、合間を埋めて変えてみたのが上の文章だが、共感を得るためには、実は、この宣言系のフレーズ自体、見直した方が良い。では、どうするか。それが土台作りということになる。音楽で言えば通底低音。最初に同意を得る「何か」を探すことだ。

 

「これからのエネルギー、どうしたらいいのだろう。火力、風力、水力、原発、いろいろあるよね」(自分発)

 

燃やせば二酸化炭素が出ることは小学生でも知ってる。原発を支持する人は少ない。このご時世にそれを言い切れるタフさをどの程度の人が持っているのだろう。水力はダム問題があるものの、小水力を始め、もう一度注目されているのも事実。そして、風力は、まさにクリーンエネルギーなので、そこになんとか導きたいものだ。(全部、心の声)

 

『火力は二酸化炭素出るし、原発はないでしょ。そうなると水力か風力か、いや、太陽光やガス発電なんてのもあるよね』(相手発)

「そうだねぇ。必要なエネルギー量の問題はあるにせよ、このご時世、原発はないよな」

『まぁ、ないよね』

 

こんなやり取りができたら100点だけど、共有できるところを探しながら話していくことで、少なくとも「原発には賛同できないよね?」という方向性自体を共有できるのではないだろうか。

(ここでの説明は、この一文そのものではなく、あくまでもたとえ話として聞いてください)

 

つまり、最初のステップは、「同じ土俵に乗ること」なのだ。

そこには、現在の風潮なり、一般論であり、よく聞くフレーズを並べて、自分たちの立ち位置が同じところにある、という状況を共有することが大切なのである。この共有こそが共感を生み出す「土台」となるのだ。

 

言い換えると、土台とは「共通認識」なのだ。自分の立ち位置を明確に示し、それを言語化し、お互いに確認しあうことが大切。そして、あなたは土台と結果は結びついていることを忘れてはならない。自分自身は、結果が見えていて、その結果に導くためのスタートラインこそが、土台でなくてはならない。

 

これを整理してみよう。

 

まずは、共感を得るために必要な話し方は、

①ゴールを見定める。②逆算してスタート(=土台)位置を見いだす。③スタート位置を言語化し共有する。④共有状況を確認しながら階段をあがる。

 

ということになる。では、共感を得られない話し方の一例としては、

①ゴールを言語化する。②共有状況を確認せずに、スタート位置に階段を降りて行くように話しを進める。

-------------------------------------------------------------------------

共感を得るには、⑦に注目しても①から言語化する。

→②→③→④→⑤→⑥→⑦

 

つまり、話しの展開は、①から⑦へ向かう。

 

逆に共感を得られないのは、⑦を言語化する。

①→②→③→④→⑤→⑥→

 

話しの展開は、⑦から①へ向かっている。

 

*うっかり途中から話し出してしまい、相手がポカーンとする場合もあるが、その時は、①に戻ることが必要。

-------------------------------------------------------------------------

 

ということになる。

何も共有していないところからスタートしたら、どんな言葉も響かない。つまり、共感なんて得られない。共感の土台となる立場、意見、感情、どんなことでも良いので、相手と何かを「共有」するプロセスを通ることで全てが始まるのだ。

 

実は、共感をテーマにした最初の投稿で、「大義が必要」と言った理由はここにある。大義は共有しやすい。だからこそ、大義が大切なのだ。しっかりとした情熱を持ち、大義を語ることから初めてみてはいかがだろうか。

 

ただし、この共有できる「大義」にも作り方がある。
耳障りの良いことを言うのが大義ではなく、物事の本質を見抜く目が必要となる。本質を見抜くのに、「センス」が必要みたいな言い方をされることもあるが、アレはウソだと思う。センスなんて必要はない。考え抜くことは技術に他ならない。「考え抜くための考え方」があるわけだが、それはまた別の機会にお話したい。

ロジカルシンキングで共感を得る方法ーその①「共感を得られない」理由を知る

前回のエントリーでは、共感を生むためには大義が欠かせないという話しをした。大義は共感を得やすいし、大義に反対する人は絶対数で見れば少ないから。ただ、大義を掲げても共感を得られないこともある。そこで、今回は、なぜ、共感を得られないのか?ということについて掘り下げておきたい。

 

例えば、「エネルギー問題」を題材にして、大義を掲げてみよう。

原発には反対だ。これからは自然エネルギーに転換すべき。僕たちの未来にはクリーンなエネルギーが必要だ」

間違ってはいないが、この順序で説明すると、以下のような反論に合う。

原発には反対という姿勢

 →いや、必要だ。これだけ高エネルギー社会においては原発の悪よりも、社会の維持を考えたら、すぐに原発を止めることはできない。原発の害については別の問題として議論しよう。

・これからは自然エネルギーに転換すべきという姿勢

 →自然エネルギーはコストがかかる。開発にもコストやエネルギーがかかる。今の社会をすべて自然エネルギーで賄うのはムリがないか?

・僕たちの未来にはクリーンなエネルギーが必要だという姿勢

 →これからはクリーンエネルギーの時代だと思うが、太陽光にしたってまだまだコストが高い。確かに未来には必要だが、その未来は、僕たちの未来の先なのではないか?

 

本当に上辺だけの内容なので、中身についての言及は避けて頂きたい。ここで、注目するのは「聞き手の心位置」である。

----------------

心位置とは、私の中のイメージである。シーソーみたいなものがあり、その片方に自分が居て、もう片方には相手がいる。自分の方に傾けたいのであれば、相手の心を自分の方に寄せる必要がある。シーソーの上には玉になった相手の心があり、どちらかに転がろうとゆらゆらしている。その玉を自分の方に近づければ、自分の方が沈む。この状態こそ、共感を得たことである。なので、その球体の心が、シーソーの何処にある?というのが「心位置」という言葉の意味だ。

----------------

共感を得るには心位置をコントロールしないといけない。共感とは、ほぼ100%、同じ意見の時にのみ起きる現象だ。まぁいいかという賛同は、共感ではない。かならず後でほころびが出る。共感しないから主体的にも動かない。賛同者は、まぁよくわらかんけど賛同するよ、みたいなスタンスも含まれるのでいざ行って時には、戦力にはならない。呼びかけに応じてもらわないと戦わない。呼びかけなければ戦わないし、呼びかけても応えないこともある。つまり、共感者以外の賛同者なんて、ほんとは意味がないことを知った方が良い。

 

さて、先ほどの単文を心位置の動きと確率を考えて読んでいこう。

最初の「原発には反対だ」のように、人は、目の前の人が片方の立場を明確にした段階で、自分自身は身構えてしまうものだ。素直に賛同する人もいれば、反対する人もいる。ここの割合は、仮に「大勢の人が賛成しそうな内容だから、7:3で賛成してくれるはずだ!」なんて思っていたら大間違い。相手からしたら、「賛成」か「反対」の2つに1つなので、実際は、5:5の確率。あなたは決して、その他大勢に話しをしているわけではなく、目の前の一人に話しをしていることを忘れてはならない。話しはじめたら、相手の意見が賛成/反対かは、常に確率は5:5なのだ。

 

そうなると、原発に反対しているかしていないかがわからないまま次の言葉に移る。

 

次の「これからは自然エネルギーに転換すべき」は、べきって言葉だけで賛同されないケースも多いので注意が必要だ。ただ、それ以上に大切なのが、「こうした方がいいね」という意見は、それまでの心位置によって、その後の可能性が大きく変えているということを忘れがちだ。つまり、賛成/反対がわからない段階での次の中身に移行しているのだから、次を話しでも、賛成/反対に分かれるため以下の4つのパターンに分かれているのだ。①最初は賛成/後も賛成、②最初は賛成/後は反対、③最初は反対/後は賛成、④最初は反対/後も反対、の4つであり、この段階で、共感を得られる可能性は、全体の1/4なんと25%しかないのだ。

 

そして、25%の可能性しかない相手に最後のメッセージを送る。

 

最後の「僕たちの未来にはクリーンなエネルギーが必要だ」という言葉は、わずか25%のしかない共感の可能性にかけたメッセージとしては実に軽薄だ。こんなことは小学生でも言える。この可能性がほぼないところに来て、最も一般的な意見を言うと「こんな当たり前のことを言われてもねぇ....」という残念な気持ちが芽生えて来るため、先ほどまでは、25%あった可能性自体を賛成/反対で、さらに半分の12.5%に削ってしまう。「当たり前なことを言われても共感なんてしにくいわよ」と。これでは心位置へのダメージは大きい。まず共感は得にくいだろうなーと思う。この場合、この話し方で8人に伝えれば、1人くらいは賛同してくれるだろう。しかし、ここでも大きな落とし穴がある。それが穴だ。「同じ穴の狢」という言葉があるように、普段から一緒に居る人に話してみたら共感を得られる可能性が高まる。つまり、1/8しか可能性がなくても、自分の周りに1/8が居るということだ。なので、身近な人に意見を求める時は、この共感を得られないロジックに自分自身がハマっていないことを確信している時だけにした方が良い。

 

さて、話しを戻す。

正直、私は、先ほどの単文は、内容的には間違ったことは言っていないと思うが、なんとなく言葉にできないモヤッとしたものを常に抱えながら次の言葉を聞いていくような感じがする。そのため、素直に共感できないメッセージなのだが、そのモヤっとしたものを言語化すると、おおよそ先のような心理変化が多少なりとも生まれ、可能性を削ぎ落して行く話しの運びになっていると感じ、そのなんとなくダメな感じに、素直に共感が出来ない、という結論に至るのではないかと思う。

 

では、そうならずに共感を得るにはどうしたら良いのか?という点については、次回にまとめていく。

 

最後は宣伝です(笑)。このようなワークショップをやってますので、興味ある方は是非、お声掛け下さいませ。悩んでいても、意外に簡単に結論が出る場合もありますよー。